2021.01.12
ブログ
上場株式と家族信託②
こんばんは。加古です。
今日は上場株式と家族信託のパート2です。
株式である有価証券の家族信託の利用は広く行われており、特に中小企業のオーナーであれば、家族信託を利用し株式を後継者へ譲渡することで、スムーズな事業承継が可能になります。
なお、株式は中小企業のオーナーたけではなく、上場株式を保有されている人もたくさんいます。
上場株式は、証券会社を通じて、信託銀行等が、株主名簿の管理やその名義変更手続きを行うのですが、この上場株式について家族信託をすることは可能なのでしょうか?
答えは、可能です。
ただ、残念なことに現時点で、家族信託に対応できる證券会社を多くありません。
それでも、家族信託に関する信託口口座の開設を始めた大手証券会社もあるようですので、今後、他の大手証券会社等も追従する動きも考えられます。
司法書士法人アストラでは、上場株式の家族信託を行ったことがありますので、有価証券の家族信託契約書を作成する際のポイントをお伝えします。
下のリンクは、以前のブログです。
① 公正証書により作成をすること
証券会社は、リスクを取ることを嫌いますので、家族信託契約の有効性、委託者の意思に問題が無いこと等を担保するために家族信託契約書を公正証書で作成する必要があります。
② 受託者の投資・運用に関する権限を明確にする
家族信託契約書に信託財産である上場株式の投資・運用・売買に関する権限が記載されて無ければ、証券会社も対応出来ません。
したがって、必ず信託契約書には受託者の権限として「上場株式等の有価証券の投資・運用・売買の権限」を与える必要があります。
③ 受託者が複数の家族信託契約は不可
上場株式を信託財産とする場合は、受託者が証券口座を開設する必要があります。受託者が複数あってもそれぞれが証券口座を開設するわけではなく、一つの口座を開設します。
しかし、証券口座は共同名義で開設することは出来ません。
したがって、上場株式を信託財産とする家族信託契約の受託者は、一人であることが求められます。
④ 銘柄を正確に記載する
家族信託契約書には信託する財産を記載しますが、上場株式の銘柄名と株数は正確に明記しなければなりません。不正確な記載だと証券会社の手続が滞ってしまう可能性もあります。