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  • 2019.08.25
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不動産の共有名義

こんにちは、田中です。

 

ここ最近、不動産売買の登記手続きで、共有名義となっている不動産をよく見かけます。

相続によって、法定相続分で共有名義としていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。

しかし、不動産の共有名義は、いざ売却をしようとした際や、その不動産を活用しようとした際に時間や手間がかかります。

場合によっては、共有者間でトラブルが生じる場合もあります。

 

不動産を共有名義にすることによるデメリットは、どんなものがあるのでしょうか。

 

1.共有者の同意が必要となる場合がある

 

共有物について処分したり変更をしようとする場合には、共有者の同意が必要となることがあります。

例えば、共有不動産の売却をするときには、共有者全員の同意が必要となります。

共有持分のみの売却は、なかなか買い手が見つからないことから、共有者全員の同意を得られない場合は、売却を断念せざるを得ません。

 

2.共有者が亡くなり、相続人が増えた場合に、さらに同意を得ることが難しくなる場合がある

 

例えば、不動産を2人で共有していた場合で、その内の1人がなくなって、その共有持分を2人が相続した場合、共有者は3人になります。

つまり、共有者に相続が起こると、さらに共有者が増え、いつの間にか共有者が数十人になっていたという場合も考えられます。

そうなると、知らない人が共有者となる場合もあり得ます。

こうなってしまっては、スムーズに同意を得ることは難しくなります。

 

3.共有物の利用が制限される

 

他の共有者が無断で共有物を使用していたとしても、その共有者も共有物全部を使用する権利があるため、当然に無断使用をやめることの請求はできません。

 

4.共有している土地分筆をして単独名義にするには、手間や時間、費用がかかる

 

共有名義を解消しようとする場合には、例えば分筆が考えられます。

しかし、分筆手続きには測量が必要になったり、隣地所有者の立会いが必要となったりする場合には時間や費用がかかってきます。

また、分筆をしただけでは共有名義は解消されないので、名義を集約する手続きも必要となってきます。

 

 

以上のように、共有物の使用、処分、解消等、どれをするにも制限がかかってきます。

 

不動産は現金やその他の財産と異なって簡単に分けることができません。

遺産分割で、共有名義を避ける方法が多くあります。

売却で不動産を現金化して分けたり、特定の相続人に不動産を取得させて、その他の相続人に金銭を支払う方法等があります。

安易に法定相続分で共有名義にすると、後のトラブルに発展する場合があります。

不動産の名義は慎重に考えていただきたいです。