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2019.06.29

ブログ

定期借地

こんちには、田中です。

 

先日、土地を借りてお家を建てられたお客様がいらっしゃいました。

通常、お家を建てる場合は、土地も購入される場合がほとんどかと思います。

その際に住宅ローンを組む場合は、金融機関は土地と建物を担保に取って融資します。

しかし、借りた土地の上にお家を建てているので、金融機関は土地を担保に取ることができません(土地は融資を受けられる方の所有ではないからです)。

 

今回は、「賃借権設定登記」と「賃借権質権設定登記」の手続きでした。

あまりない珍しい手続きでしたので、土地を借りてお家を建てることを検討されている方にご説明したいと思います。

 

【一般定期借地権設定契約】

 

まず、土地を借りようとする場合、土地の所有者と、お家を借りるための契約をしなければなりません。
この際に契約をするのが、「一般定期借地権設定契約」となります。

 

借地権とは、建物を目的とする地上権又は土地の賃借権です。
ここでは、お家を建てるために土地を借りる権利だと思ってください。

 

その借地権のなかでも、一般定期借地権とは、土地を借りる期間が50年以上の場合に、

 

①契約の更新がないこと

②建物が崩壊して再築をしても、契約で決めた期間に延長がないこと

③建物買取請求をしないこと

 

とする特約(3点セットの特約)をした借地権のことになります。

 

つまり、一般定期借地権設定契約とは、

 

①50年以上の決めた期間が経過したら土地を借りる権利がなくなり、

②建物が崩壊したりして、改めて再築しても土地を借りれる期間は延長されず、

③土地を借りれる期間が終了しても、土地の所有者に建物を買い取れとは言えない契約、

 

ということになります。

 

契約で定めた期間までは借りた土地の上に建てたお家に住めることができますが、期間が終了したら建物を取り壊して、更地にして返さなければなりません。

 

【賃借権の質権設定】

 

住宅ローンを組んで融資を受ける場合、金融機関は土地と建物を担保に取ります。

担保とは、返済ができなくなった場合に、担保に取った物で代わりに返済をするということです。

その際の担保権が抵当権となります。

 

しかし、土地を借りてお家を建てた場合、建物に抵当権を付けることはできますが、土地には付けることができません(建物は融資を受けた方の所有ですが、融資を受けていない土地の所有者が担保を取られる訳にはいかないからです)。

そこで、金融機関は、土地を借りる権利=賃借権(借地権)を担保に取ります。

その担保を取るために出てくるのが質権となります。

 

 

一昔前は、土地を借りてお家を建てることが多かったようですが、今は土地を買ってお家を建てること場合がほとんどだと思っておりました。

しかし、最近はまた土地を借りてお家を建てる方も増えてきているのでしょうか?

上記の内容はあまり聞きなれないことばかりだと思いますので、土地を借りてお家を建てることを検討されている方の参考となれば幸いです。

 

 

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