2021.05.26
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及ぼさない変更
こんばんは、佐﨑です。
本日は、「及ぼさない変更」について。
先日その手続きがあったので、備忘録がてらご説明できたら。
「及ぼさない変更」とだけ聞くと、何か違和感ありますよね。
「何に対して??」となりそうです。
それもそのはず、これは登記手続きにおける略語、というか通称のようです。
わかりやすく言うと、
『(根)抵当権の効力を「及ぼさない変更」』
といった具合です。
はい。余計にわかりにくくなるヤツです。笑
結論から申し上げると、
(根)抵当権の持分についての抹消です。
さらに混乱させるようなことを言うと、
「及ぼさない変更」があれば、「及ぼす変更」もあるわけでして。
意地悪だと思われそうなので、ここで、
順番に例を挙げてご説明します。
先ずは、「及ぼす変更」について。
AさんとBさんが共有で甲土地を所有していたとします。
Aさんがなにかのきっかけで、金融機関から融資を受けることとなり、自身の持分についてのみ、抵当権を設定します。
その後、AさんがBさんの持分を買い上げ、甲土地を単独所有としました。
このとき金融機関が抵当権の範囲を、Bさんから買い上げた持分について拡張しようとします。
これが「及ぼす変更」です。
同じ不動産について、それまで真っさらだった持分に対して、抵当権の効力を及ぼす変更といえますね。
続いて「及ぼさない変更」です。
こちらは反対に、抵当権が設定された、Aさんの単独所有である不動産の持分のいくらかをBさんに売却し、共有状態となったとき、
もともと設定されていた抵当権を全部から、
売却されずに残ったAさんの持分に縮小する変更のことをいいます。
抵当権の効力を他所の部分に及ぼさない変更、という意味ですかね。
冒頭でも書きましたが、
「及ぼさない変更」は、実質的には、
売却して関係なくなった持分についての
抵当権の部分抹消、と言えます。
「及ぼす変更」は、抵当権のある持分についての追加設定ということができそうです。
では、なぜわざとわかりにくい手続きをやるかといいますと、
抵当権の部分抹消や、抵当権の持分設定の登記ができないからです。
そのためにわざわざこんなわかりにくい表現を使ってるのです。
ある意味、業界用語なんですかね。
事務所入りたてのときに聞いてたら、ちんぷんかんぷんでしたね。
それでは。