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  • 2020.09.15
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自己信託について

こんばんは加古です。

今日は「自己信託」についてです。

 


○「自己信託」とは

「自己信託」とは、委託者が自らが受託者となり、受益者のために自己の財産を管理・処分等する信託のことを言います。

 

これまでブログで説明していた家族信託は、「信託契約」で異なる者(委託者である親と受託者である息子)との間の合意が必要であるのに対して、「自己信託」では、自分一人による意思表示「=信託宣言」で信託が成立することに特徴があります。

 

「自己信託」は、委託者と受託者が自己であり、自分一人で特定の財産を信託財産とすることを宣言すれば信託が成立するため、要件が厳格であり、公正証書等によらなければ自己信託の効力が発生しません。

 

公正証書「等」とありますが、「受益者に指定された者に対して、確定日付ある書面により信託内容を通知する方法」もありますが、一般的には、公証役場にて「自己信託設定公正証書」を作成します。

 

なお、「自己信託」の場合には、公正証書などの公証人の認証を受けた書面によって信託宣言がなされた場合には、公証人の認証がなされた時に、効力が発生します。これ以外の「受益者に指定された者に対して、確定日付ある書面により信託内容を通知する方法」で信託宣言がなされた場合には、通知によって効力が発生します。

 

 

○自己信託の税務上の注意点

「自己信託」では、いままでの財産所有者とは異なる者が受益者となるため、「自己信託した時点で財産が移転」したことになります。

これは、生前に財産が移転したことになり「みなし贈与」として贈与税の課税対象になることに注意して下さい。

 

※一人の人が委託者兼委託者兼受益者という「三位一体」の状態で自己信託をスタートすることも出来ますが、この三位一体の状態は1年を超えることが出来ません。1年を超えると自己信託は終了してしまいます。

 

○自己信託と登記

「自己信託」では、財産の主体は同一人です(委託者=受託者)。

 

主体に変更はありませんが、財産は委託者の固有財産から信託財産になりますので、自己信託を原因として登記手続きをします。

 

財産の主体に変更がないからといって登記を先延ばしにすることは控えて下さい。登記すべき財産については、信託の登記をしなければ信託財産であることを第三者に主張することが出来ないからです。

 

 

○自己信託の活用例

「自己信託」の活用場面は、代表的な次の2つが考えられます。

①適切な受託者がいない場合
②名義を変えずに自社株などの生前贈与をしたい場合

 

次回はこの活用例を具体的に説明したいと思います。