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  • 2020.06.05
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民法改正(相殺1)

こんにちは、田中です。
本日は、民法改正のうち相殺についてです。

 

相殺とは、自分と相手方の債権が同種の場合に、対等額を消滅させることです。

 

例えば、AがBに対して100万円の債権を、BがAに対して50万円の債権を持っていた場合は、50万円を相殺して、AのBに対する50万円が残ることになります(BのAに対する債権は0円になります)。

 

この相殺について、旧法では、不法行為に基づく損害賠償請求権を債務として相殺することは一律禁止されていました。

 

つまり、CがDに対して100万円の債権を持っている場合に、CがDに対して過失による(=誤って)交通事故でDの車を損傷し、100万円の修理費を負っている際は、この100万円同士を相殺することが禁止されていました。

理由としては、不法行為の被害者(上記の例の場合のD)に、加害者(上記の例の場合のC)から現実にお金を支払わせることによって、Dの保護と、DからCに対する復讐を防止するためでした。

 

 

しかし、この理由であれば、わざと交通事故を起こした場合や、人を殺害した場合などに限定すれば足りるはずです。

 

そこで新法では、

 

①積極的に他人を害する意思をもって不法行為を起こした場合の損害賠償請求権を債務として相殺する場合

 

②人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権を債務として相殺する場合

の2つの場合に限って、相殺を禁止としました。

 

なお、この2つの債権を譲り受けた場合には、これらの債権を債務として相殺することは禁止されません。
損害賠償請求権を有しているのは被害者ではないため、相殺を禁止する上記の理由が当てはまらないからです。