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  • 2020.01.19
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債権法(時効2)

こんにちは、田中です。

 

前回のつづきで、今回も債権法改正の中の時効についてです。

前回、時効の完成が猶予される事由を説明しました。

前回のブログはこちら

 

その中の、新法で設けられた「協議を行う旨の合意」について説明したいと思います。

 

 

【改正の経緯】

 

旧法では、当事者が権利をめぐる争いを解決するための協議を行っていたとしても、時効の完成が迫ると、その完成を阻止するためだけに訴訟の提起等ををしなければなりませんでした。

そこで、新法では、当事者間において権利についての協議を行う旨の合意が書面等によりされた場合には、時効の完成が猶予されるとしました。

 

【時効の完成の猶予】

 

時効の完成猶予が認められるためには、当事者間で協議を行う旨の合意をしていることが必要となります。

 

 

【書面又は電磁的記録】

 

協議を行う旨の合意は、書面又は電磁的記録(以下、「書面等」といいます)によってしなければなりません。

「書面又は電磁的記録」には、様式自体に特段の制限はないため、当事者の署名や記名・押印が必要とはされていません。

また、合意書等と題する書面である必要もありません。

そのため、メールによる協議の申入れとその返信によって合意がされたことにもなります。

 

【催告との関係】

 

催告によって時効の完成が猶予されている場合には、協議を行う旨の合意をしても、時効の完成猶予はされません。

例えば、債権者が催告をした後に、債務者との間で権利関係の話し合いが始まった場合に、話し合いが長期化しそうなため、書面による合意をしたとしても、時効の完成猶予の効果は生じないことになります。

 

【完成猶予の期間】

 

協議を行う旨の合意によって時効の完成猶予がされる期間は、合意時から1年経過時となります。

ただし、合意によって1年未満の期間を定めた場合には、その期間の経過時です。

 

【協議の続行を拒絶する旨の書面】

 

上記の期間の経過時までに、当事者の一方から協議の続行を拒絶する旨の書面等による通知がされた場合には、通知の時から6か月経過時まで(ただし、上記の期間が先に到来する場合はその期間の経過時まで)時効の完成が猶予されます。

 

【再度の合意】

 

協議を行う旨の合意によって時効の完成が猶予されている間に、再度、書面等で協議を行う旨の合意がされれば、その合意の時点から、上記のように1年を限度に時効の完成が更に猶予されます。

この合意は複数回繰り返すことができます。

ただし、協議を行う旨の合意による時効の完成猶予については、本来の時効が完成すべき時から通算して5年を超えることができません。