2021.06.18
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民法改正(配偶者短期居住権⑤)
こんにちは、田中です。
今回も配偶者短期居住権についてです。
配偶者居住権は、登記をすることによって、第三者に権利を主張できます。
では、配偶者短期居住権はどうでしょうか?
結論、配偶者短期居住権では登記はすることができず、いわゆる対抗要件の制度がありません。
配偶者短期居住権は、被相続人の意思にかかわらず成立します。
内容としては、配偶者が借りる人、居住建物を取得した人が貸す人として、タダでする貸し借りに似たものになります。
そのため、居住建物を取得した人が第三者に譲渡してしまうと、配偶者はもはや、その第三者に配偶者短期居住権を主張することができなくなってしまいます。
つまり、6ヶ月経過前であっても、配偶者短期居住権が消滅する場合があるということです。
ただし、居住建物の取得者は、第三者への譲渡等によって、配偶者による居住建物の使用を妨害してはならない、としています。
そのためこのような場合には、債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができると考えられています。