2020.06.24
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法定相続情報証明制度
こんばんは、佐﨑です。
突然ですが、表題にもなっている「法定相続情報証明制度」はご存知でしょうか。比較的新しめの制度なので、あまり馴染みがないかもしれません。
文字通り相続に関する制度でございまして、簡単に説明させていただくと、相続が発生したときに、そのときの相続関係(誰が亡くなって、誰と誰が相続人になるのか)について、法務局が認証文つきの法定相続一覧図を発行する制度です。
役所のお墨付きの家系図みたいなのを想像していただくといいかと思います。正しい表現かはわかりません。笑
この一覧図を発行してもらうとどういうメリットがあるかと言いますと、
まずこの法定相続情報一覧図、戸籍謄本などの資料の代わりとなります。
従来は、戸籍謄本や住民票などの書類の原本一式を、法務局や銀行などへ提出して、毎度相続関係を調査し、手続きを行っていましたが、この一覧図があれば、そういった時間を短縮することができます。
いまいちピンとこないかもわかりませんが、一度相続などが発生しますと、亡くなった方から相続人への不動産の名義変更や、亡くなった被相続人名義の預貯金の払戻し、有価証券の名義変更、さらには保険のことまで、さまざまな手続きが発生します。
不動産のこと一つとっても、複数の法務局へ登記手続きを行う場合もあり、一度戸籍謄本を提出すると、またそれが返却されるのを待って、次の管轄の法務局へ──
と進めると時間と手間がかかってしまいます。
複数の銀行に口座をもってらっしゃった場合も同様です。
この制度を利用すると、そういった事態が回避できるわけですね。
当事者様は手続きが素早く終わってハッピー、法務局や銀行もいちいち戸籍の束を確認して、相続の内容を精査する手間が省けてハッピー。
とまさにいいこと尽くしですね。
と、さらに嬉しいことに、法務局で認証文つきの法定相続情報一覧図を発行してもらう手続き自体は無料なんですね。というのも、この制度自体が相続登記をより簡略化し、手続きを促進しよう、という狙いがあるからです。
もちろん、なんもなしに認証がもらえるわけではなく、最初は法務局でしっかりと審査をする必要がございますので、戸籍謄本などの書類をどうしても用意していただく必要がございます。
実務では、相続登記を行う際についでに手続きをし、そのタイミングで同時に一覧図を発行してもらい、後の預貯金などの手続きにご使用いただく、という場合が多いですかね。
もちろん、この法定相続情報一覧図の発行のみ代理で行う場合も多々あります。
自分としては、こういう制度がある、ということを簡単に理解していただけていれば幸いです。それでは。