2019.05.11
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遺言の効力・遺留分
こんにちは、田中です。
先日、相談者の方のお母様が亡くなられた際の相続についてご質問を受けました。
質問の内容は、お母様が公正証書による遺言を残していて、財産は子ども(相談者の方を含めたご兄弟)に分ける内容になっているそうですが、相続分に納得がいかなかった場合に争いにならないか?という内容でした。
遺言の内容が、財産を均等に分配されていればいいのですが、偏りがあった場合にどのようになるのか?ということのようです。
【遺言の効力】
遺言で、「特定の財産を誰々に渡す」とした場合は、遺言者が亡くなった時にその方が所有権を取得します。
つまり、簡潔に言うと、遺言で「この土地はAに、この建物はBに渡す」とした場合には、Aが土地の、Bが建物の所有者となる、ということです。
そのため、この土地と建物の財産の価値に差が生じたとしても、その差額を精算する必要はありません。
【遺留分】
ただし、遺留分に気をつける必要があります。
遺留分とは、一定の相続人のために、法律上必ず保護されなければならない相続財産の一定割合をいいます。
遺留分がある相続人は、配偶者、子及びその代襲者(=孫等)、直系尊属(=父母等)です。
例えば、亡父の相続人が母と子どもの場合で、亡父が母に全ての財産(4000万円)を譲るとの遺言を残していたとしても、子どもは1000万円分の財産を相続することができます。
それは、子どもが母に1000万円分を請求します。
つまり、相談者のお母様の遺言の内容が遺留分額を害する場合は、争いが生じる場合があります。
そのため、遺言を作成したからといって、遺留分を考慮しないと争いが生じる場合があるので注意が必要です。
なお、遺留分について改正があります。
また後日説明したいと思います。