2019.04.10
ブログ
株式会社と合同会社の違い
こんばんは!副代表の加古です。
先日のブログで、田中が「会社設立」について記事にしていたので、今日は「株式会社と合同会社の違い」について書きたいと思います。
起業しようと法人について調べてみると、いろいろな種類があってどの種類の会社にすれば良いか迷われるお客様が結構いらっしゃいます。
特に、株式会社に似たような法人である合同会社と迷われるケースが多いので、この両社の違いについてまとめてみました。
〇株式会社とは
株式会社とは、株式を発行することによって資金を集める法人の類型で、経営者(社長・役員)と出資者(株主)が別々になっている法人です。上場会社をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。
※中小企業の大多数は、経営者=株主となっていますが、制度上は、経営者と株主は別々とすることが可能です。
経営に関与せず、配当だけ貰うこともできます。
〇合同会社とは
合同会社とは、経営者と出資者が一致している法人の類型で、出資者でなければ経営者にはなれません。
スマートフォンで圧倒的なシェアを誇る「iphone」を製造・販売しているアップルの日本法人も合同会社で、正式な社名は、Apple japan合同会社です。
〇株式会社のメリット
1.認知度が高い
株式会社を設立すると、得意先や仕入れ先や、その他社会からのイメージが違います。一般的には組織化していて前向きなイメージを持たれます。
2.資金調達の方法が色々ある
株式会社のメリットとして特に挙げられるのは資金調達方法の選択肢が広いことです。
新株発行、社債などにより資金調達することが可能ですし、株式市場へ上場することも可能です。
3.出資者の全員が有限責任である
有限責任とは、出資した金額の範囲内で責任を負うことです。万が一、会社が破綻したときは出資したお金以上の責任は負わなくて済みます。
〇合同会社のメリット
1.設立コストが安い
合同会社の設立に必要な登録免許税が6万円と安いです(株式会社の場合は15万円~)。また、定款認証(約5万円)も不要です。全体のコストを比べると、株式会社は20万円は必要ですが、合同会社だと6万円~と少額で設立が可能です。
2.会社の維持にかかる手間と費用が少なく済む
合同会社には決算の公告義務がありません。株式会社のように毎年、費用をかけて決算書を公表する必要はありません。
また、役員の任期を定める必要がないので、定期的に行う必要のある役員改選コストがかかりません。
3.出資者の全員が有限責任のみ負う
ここは株式会社と同じですが、出資者の全員が有限責任のみ負うので、出資額以上の責任は課されません。
4.出資金額にかかわらず対等な議決権を持つ
出資者は出資額の多寡にかかわらず対等の議決権を有します。対等に事業を進めたい場合はメリットとなります。
5.出資金額にかかわらず利益の配分をすることができる
出資者の出資額の多寡に関係なく利益を配分することが可能です。したがって、「出資比率に関係なく、利益の分配は均等にする」などと決めることが出来ます。
6.組織運営の自由度が高い
合同会社は、会社の事情に合わせて会社の規則(=定款)で組織のあり方を決めることが出来ます。
〇株式会社デメリット
1.設立コストが高い
株式会社の設立に必要な登録免許税が最低15万円かかります(合同会社の場合は6万円~)。また、定款認証(約5万円)も必要です。(合同会社は必要ありません)。
2.会社の維持にかかる手間と費用がかかる
株式会社の場合、法律によって、会社の運営、株主総会の開催、役員の任期、決済の公告義務などが定められています。会社の運営について、定期的に登記などの費用が発生します。
3.利益の配分は持株数に応じて決まります
〇合同会社のデメリット
1.資金調達の方法が少ない
株式会社のように、株式を発行する資金調達ができません。また、株式上場も出来ませんので、株式会社に比べ資金調達の方法は少ないです。
2.利益配分について対立する可能性がある
合同会社のメリット5の「出資金額にかかわらず、利益の配分をすることができる」というゆことは、逆に言うと満足できない配分になり、社員が対立してしまう恐れがあります。
この点、議決権や利益の配分について定款に定めることが可能です。
3.認知度が低い
合同会社は平成18年にできた新しい会社の類型であるため、信用度を低く見られてしまうことがあります。
年々、合同会社の認知度も上がっていると思いますが、現時点での認知度は低めいと言わざるを得ません。
なお、合同会社の代表者は「代表取締役」ではなく「代表社員」となります。
〇まとめ
1.株式会社はこのような方にお薦めです
①投資家からの増資による資金調達などを検討している方。
②事業拡大をし、上場を目指す方
③BtoBのビジネス等で、株式会社の名前がないと取引先が限定される可能性がある方
2.合同会社はこのような方にお薦めです。
①少ないコストで法人成りしたい方
②BtoCのビジネスで、株式会社か合同会社かはあまり関係ない方
③許認可など何らかの理由で法人格が必要な方
④株主総会や決算公告など煩わしい作業をしたくない方
いろいろな判断基準があり、決めかねることもあるかと思います。お話を聞きながらアドバイスさせて頂きますので、是非、ご相談下さい。