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  • 2021.01.26
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家族信託の変更について

こんばんは。加古です。

 

今日は、「信託の変更」についです。

 


 

「信託の変更」とは、家族信託契約の内容を信託開始後に変更することです。

 

家族信託は財産の管理、承継を目的としているので、家族信託は長期間にわたり続くことが想定されます。その中で、家族信託の関係者の状況は大きく変わる可能性があります。

こうした場合、その状況の変化に合わせて家族信託契約を変更する必要が生じてきます。

 

一方で、委託者の要望により容易に家族信託契約を変更したくないという要望もあります、例えば、遺言信託のように、自分が亡き後の遺志を実現するために利用する場合などは、家族信託契約が安易に変更されては、委託者の想う財産の管理や承継は実現できません。

 

したがって、信託の変更ができるにしてもその要件は下に書いてあるとおり、いくつかのバリエーションがあります。

 

① 信託行為の定め
信託行為(※信託の目的を達成するために必要な行為をすべきことを家族信託契約に定めたもの)でどのような場合に信託の変更が可能か定めることができます。

 

② 当事者による変更
(1)委託者、受託者及び受益者の合意

委託者、受託者と受益者の合意によって信託の変更をすることができます。

 

(2)受託者と受益者の合意

信託の目的に反しないことが明らかである場合は、受託者と受益者の合意で信託の変更が可能です。

※信託の目的に反しないことが明らかであれば、委託者に不利益は生じず、委託者の関与は必要ないと考えれるためです。

 

ただし、受託者と受益者の合意によって信託の変更をした場合は、受託者は委託者に対して遅滞なく変更後の家族信託の内容を通知する必要があります。

 

(3)受託者の意思表示

信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らかな時は、受託者の書面等による意思表示で信託の変更が可能です。

※受益者の利益になるのであれば、受益者の関与は必要ないと考えられるためです。

 

ただし、受託者の意思表示によって信託の変更をした場合は、受託者は委託者及び受益者に変更後の家族信託の内容を通知する必要があります。

 

(4)委託者と受益者の意思表示

受託者の利益を害しないことが明らかなときは、委託者と受益者が受託者に対して意思表示をすることで信託の変更が可能です。

 

(5)受益者の意思表示

信託の目的に反しないこと及び受託者の利益を害しないことが明らかなときは、受益者が受託者に意思表示をすることによって信託の変更が可能です。

 

ただし、受益者の意思表示によって信託の変更をした場合は、受託者は委託者に変更後の家族信託の内容を通知する必要があります。

 

この「②当事者による変更」は任意規定であり、信託の変更方法について別段の定めがあればそれに従うものとされています。

 

 

このように、信託の変更は、家族信託の関係者である誰か1人の思惑や利益のために変更することはできません。もっとも、「当事者全員の合意がなければ信託の変更ができない」のでは、家族信託のメリットである柔軟性や迅速性に欠けてしまします。

 

したがって、家族信託を行っていく場合には、委託者や家族の想いを鑑みて、どのような場合にどのようにして信託の変更ができるのか決める必要があります。