2020.04.05
ブログ
債権法改正(債権譲渡1)
こんにちは、田中です。
今日は、今月から施行がされている債権法の中でも、債権譲渡についてです。
債権譲渡に関しては、以下の内容について改正されています。
① 譲渡制限特約について
② 将来債権の譲渡が可能である旨の明文化
③ 異議をとどめない承諾の制度の廃止
④ 債権譲渡の際の相殺について
この中でも、今日は①について説明していきます。
【譲渡制限特約のある債権譲渡の効力】
新法では、譲渡制限特約が付されていても、債権譲渡の効力は妨げられないとしています。
つまり、仮に債権譲渡の譲受人が譲渡制限特約に悪意又は重過失(=譲渡制限特約を知っていた場合)であったとしても、その債権譲渡は有効です。
しかし、譲渡制限特約の趣旨は、弁済の相手方を固定することによって、見知らぬ第三者が弁済の相手方となるといった事態を防ぐことにあり、専ら債務者の保護のためにあります。
このような債務者の期待は保護する必要があることから、譲受人が譲渡制限特約について悪意又は重過失である場合には、債務者は、譲受人に対する債務の履行を拒むことができ、かつ譲渡人に対する弁済等の債務消滅事由をもって譲受人に対抗することができます。この場合でも、譲受人に弁済することも可能です。
さらに、譲渡制限特約のある金銭債権が譲渡されたときは、債務者は、当然に、その債権の全額に相当する金銭を供託することができます。
逆に、譲受人の利益も保護する必要があります。
譲受人は、債務者が債務を履行しない場合には、債務者に対し、相当の期間を定めて、譲渡人への債務の履行をするよう催告することができます。この場合に債務の履行がないときは、債務者は譲受人に対して債務を履行しなければなりません。
また、譲渡人について破産手続開始決定があったときは、譲受人は、譲渡制限特約について悪意又は重過失であっても、債務者にその債権の全額に相当する金銭を供託させることができます。