2019.10.23
ブログ
家族信託の金銭管理と信託口口座
こんばんは!加古です。
ここ最近のブログは、「家族信託」を中心に書いていますが、やはりニーズとして「高齢の親が亡くなるまで安心して生活できるように、不動産や金銭の管理、生活費、介護費用、施設入所費用、入院費用、年金やその他収入の管理について、信頼できる子供に託したい」という内容が多いです。
そして、相談に来られる方も本を読んだり、セミナーを受けてしっかりと勉強されていますね。
わたしもセミナーを何回も受けたり本を何冊も読んだりしてますが、これらをまとめると、次のようなことではないでしょうか。
・「家族信託」とは、親が認知症になってしまうと、銀行窓口で本人名義の口座からお金を引き出したり、不動産を売ったり貸すことができません。このような場合に備えて親が元気でしっかりしているうちに信頼できる家族に自分の財産を託しておくものです。
・財産を託す「委託者」、財産から利益を得る「受益者」を親として、財産を託される「受託者」を長男として家族信託契約書を締結します。
・家族信託で託された金銭は「委託者 太郎 受託者 一郎 信託口」などの名称のついた信託専用の口座で管理する。
では、本やセミナーで言われるよにすんなりと信託専用口座が作れるのでしょうか?
実務ではこの信託専用の口座をどこの銀行でも開設できるというわけではありません。最近では少しずつ増えてきているようですが、信託口の開設を取り扱っていない金融機関がほとんどです。
実際に金銭の管理はどのようにしていけば良いのでしょうか?
実務上は、受託者である方に受託者の個人名義の新しい預金口座をご用意頂いています。口座の開設が完了したら、家族信託契約書に銀行名・支店名・口座番号を明記し、分別管理を徹底する対応をお願いしています。
「委託者 太郎 受託者 一郎 信託口」とする口座でなければいけないわけではありません。
なぜなら、受託者は信託された財産について分別して管理する義務を負っているだけで、「信託口口座」で金銭管理する義務がある訳ではないからです。
とは言っても、通帳があるからといって帳簿を作らず記録しないのはダメです。
委託者の財産と自分自身の財産を分別して管理している証拠として、帳簿を作りしっかり記録し管理して下さい。
注意しなければならない点もあります。
新しくご用意いただく受託者名義の口座は、あくまで受託者の“個人口座”であるため、万が一、受託者が委託者より先に死亡した場合や受託者個人が破産した場合は、委託者の信託財産とはみなされず、受託者個人の財産とされるリスクがあります。
この点に関しては、アストラがリスク軽減のアドバイスをいたします。
繰り返しになりますが家族信託で大事なことは、「委託者の財産と受託者の財産をしっかりと分別して管理すること」です。