2020.05.08
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民法改正(第三者の弁済)
こんにちは、田中です。
今日も債権法改正についてです。
【第三者の弁済】
債務の弁済は、債務の性質が第三者弁済を許さない場合(例.有名な学者による講演等)、契約当事者が特約で禁止した場合以外は、債務者だけでなく第三者も債務者に代わって弁済することができます。
この第三者弁済について、いくつかルール変更がありました。
●第三者の範囲
旧法では「利害関係を有しない第三者」とあったのを、新法で「弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者」に変更しています。
●第三者弁済のルール変更
まず、弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者の弁済が、債務者の意思に反してされた場合でも、債権者が、債務者の意思に反してされた弁済であることを知らなかった場合には、その弁済は有効としています。
そして、弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者からの弁済については、債権者がそれを望まない場合は、当該第三者は弁済することが出来なくなりました。
つまり、債権者に受領拒絶の権限ができました。
債務者の意思に反しているかどうかを容易に認識すことはできません。
しかし旧法では、調査することなく第三者からの弁済を受領した場合、債務者の意思に反していなければ有効でしたが、反していた場合には無効なため、第三者に返還しなければなりませんでした。
そのため、当該第三者からの弁済を拒絶したにもかかわらず、その弁済が債務者の意思に反していなかった場合には、債権者が受領遅滞となり、その後のリスクを負う必要がありました。
このように、債権者にとってリスクがあったため、改正されました。